最低限必要なもの以外は、折々に、ということでなんとかなってくれると信じたい
というより、突き刺そうとしたが、刺さらなかった
それもないだろう
鶴丸がしどろもどろではっきりしない理由は、大倶利伽羅にも分かっていた
部屋から出る手段は一つしかない
鶴丸の目が光っている
もともと物置だった部屋なので押し入れもなく、鶴丸の私物すら最低限しかないのだ
口の堅い奴らであればいいのだが
となかなか距離が縮まっていなかったのだ
そうだな、隣に移動するか
そう思って、鶴丸の部屋へ続く襖を開けようとした大倶利伽羅は、またしても眉を潜めた
そうだな、行くか
ここまで硬くはなかったはずだ
座り込んだまま動かない鶴丸の隣に、大倶利伽羅も腰を下ろした
指折り数えて、あと三つ
がたつくこともなく、障子はぴくりとも動かない
人の身で生活というものをするようになってから
つまり、この部屋で大倶利伽羅と鶴丸はまぐわらなくてはいけない
障子に手をかけたまま、鶴丸が首を傾げている
最低限の指示を守っただけよくやったと褒められてもいいはずだろうに
どころか、やはり襖はぴくりともしない
刀の頃から共にあり、別れ
部屋に入ったら、そこは暗闇だった
玉ねぎを切っているときの顔